5月、バラの季節である。
あちこちの家の庭先でバラが満開に咲き誇っている様子は、
素敵な光景だ。

バラと言えば花の女王のイメージだけれど、
庭咲きのバラは、もっと野性的でたくましい。
温室育ちのつんとしたバラに比べて、生命力があり
なんといっても香りがいい。
暖かい初夏の日、庭一杯にバラの甘い香りが漂っていたら、
それはそれは幸せな気持ちになりそうだ・・・・
私は、植物を育てるのが全くダメなので、
バラの庭を造ることは無理だから、通りすがりの素敵なお庭を
しばし足を止めて鑑賞する。
母は、すばらしいグリーンフィンガーの持ち主なのに、
こういう能力は遺伝しなかったらしい。
バラと言えば、15年くらいまえの映画に、
「Bed of Roses」という作品があった。
「マンハッタン花物語」という、
もう〜、なんちゅう邦題つけんだ!!!と、あきれるくらいひどい邦題で、
公開されていた。

1996年 アメリカ映画
「Bed of Roses」は、人も羨むようなすばらしい暮し、幸せな、贅沢な暮し・・という
意味もあるが、
この映画は、身寄りがなく孤独に育ち、仕事だけが生き甲斐の女性が、
優しく暖かい男性と知り合って、人生が変わっていくという
かなりロマンチックなラブストーリー。
ヒロインに想いを寄せる男性が、妻を亡くし仕事を辞め、
花屋になったという設定のため、
劇中でたくさんの花が登場する。
ヒロインに毎日のようにプレゼントされるのは、
ラベンダー色のバラの花。
自分のアパートメントの屋上につくったという、
屋上庭園は、ナチュラルな印象の男性らしい庭。
お店のインテリアや、お客様に配達される花束も、
華やかで美しい。
話の展開は、やや強引で安直な感もありますが、
オーソドックスなラブストーリー。
まだアイドルだったころの面影をのこす
クリスチャン・スレーターと、メアリー・スチュアート・マスターソンが主演していた。
バラを歌った歌も数多くありますが、
有名なのはラ・ヴィ・アン・ローズ 。
エディット・ピアフの楽曲『ばら色の人生』
ピアフといえば、マリアン・コティアール主演の
エディット・ピアフ〜愛の讃歌〜があった!

2007年 フランス映画
こちらは、言わずと知れたエディット・ピアフの伝記映画。
よい映画でしたが、重く悲しい。
人生の光と影を歌い上げるシャンソンと、その女王ピアフの人生が、
枯れて朽ちていく、大輪のバラのようで、観ていて切なかった。
ピアフの歌う歌では、「Non, je ne regrette rien・・・水に流して」が好き。
この映画の中でももちろん歌われていましたが、
クリストファー・ノーラン監督の「インセプション」のなかでも、
効果的に使われていたよ。
バラって、咲いている時は甘さを感じるいい香りなのに、
香水になると印象が変わる。
特に天然香料を使ったものでは、甘いというより、
かすかに苦さも感じる、かなり青っぽい香りなのだ。
これもバラの違った一面か・・・・
ただただゴージャスで華やかだけではない
いろいろな顔を持った素敵な花なのだ。
さきみえこHP http://homepage3.nifty.com/sasakimieko/