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2011年4月 3日 (日)

ゴスフォード・パーク 貴族の館へ

前から観たいと思っていた「ゴスフォード・パーク」を観ました。

ロバート・アルトマンお得意の群像劇。Img154a0e73zik3zj
2001年 アメリカ、イギリス、イタリア、ドイツ合作

ロバート・アルトマンは好きな監督で、作品はけっこう観ているのですが、
これは、なぜかまだでした。

アルトマンお得意の群像劇、
まず登場人物の数だけでも大変なことです。
名優ぞろいでそれだけでもすごいのですが、
だれがどうで、どういう関係で・・・とか考えだすと大変!!

まずさっくりと、貴族チーム、召使いチームでわけて
内容を追ってみます。(+アメリカ人チームね。)

ある貴族の別荘で行われたパーティー、
そこに集まってくる、なにやら一癖二癖ありそうな貴族の面々、
そして、その貴族達が引き連れてくるメイドや執事など召使い達。
そのお客達と、このお屋敷の主人一家とその召使い達を交えての
群像劇です。
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隅々まで気を使ってセッティングされた事をうかがわせるお屋敷。
ちょっとセピア調の光で描かれる映像と相まって、
1930年代の英国貴族の生活をかいま見ているようで、すぐに物語の中に入っていけます。

貴族の退廃と虚飾にみちた生活と
使用人たちの、活気にあふれ猥雑でもあり、哀しみもある暮しぶり。
主従関係、階級社会を皮肉った毒も含めて
アメリカ人のアルトマンが見事に描ききっているのには脱帽。

階上では、きらびやかなドレスに包み、優雅なパーティーが繰り広げられ、
階下の使用人フロアでは、作業の合間を縫って慌ただしく夕食をとり、
くるくるきびきび立ち働く人々の姿が対照的に描かれます。

みんな腹に一物、なにやら秘密や思惑を抱えた人々。
貴族とはいえ、無一文でお金の工面に四苦八苦している人、
傲慢で優雅な生活を送っているが、実は仕送り頼みの老婦人。
お金目当てで貴族の娘に求婚する男、
手当り次第にメイドに手をつけている屋敷の主人、
あまり仲が良くない(ように見える)料理長のミセス・クロフトと
メイド達の責任者 ミセス・ウィルソン。
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客人 ストックブリッジ卿の従者、クライヴ・オーウェン。
この人も、のっけからミステリアスな雰囲気で登場。

そしてアメリカからやってきた映画プロデューサーと俳優、その付き人たちは、
本質的には、そのどちらの世界にも属さず異邦人的な存在。
特に、アメリカ人の付き人を演じるライアン・フィリップが、
ちょっと浮いた感じの存在と謎めいたキャラクターで、
物語の前半、ドラマに活気を与えます。
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長くこのお屋敷の主人に仕えるエミリー・ワトソンもいい味を出していました。
物語の語り手は、新米メイドのケリー・マクドナルド。
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マギー・スミス演じる伯爵夫人、メイドがいなければ水筒のふたもあけれません。

使用人達にも上下関係があり、一斉に集まったとき座る順も
ご主人の階級順だとか、呼ばれる名もご主人の名で呼ばれるとか、
ヘ〜というような知らなかった事もたたくさんあり、当時の英国貴族の
暮らしをかいま見るという点でも面白い・・・・

物語の後半、やっと??というかんじで殺人事件がおこり、
流れが急展開しますが、その犯人探しの部分は、
この映画の大事な部分じゃないんですね。

なぜそういう事件が起こったのか、
階級社会からくる悲劇をもとに、
人々の関係を追っていくことこそが、この映画の醍醐味かも。
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壮観!!登場人物達!!

料理長のアイリーン・アトキンスとメイドの総責任者のヘレン・ミレンのラストシーンは、
心に響きます。
ちょっとふてくされたような暗い男がはまり役のクライブオーウェン、
これぞ英国アクターという、アラン・ベイツ、マギー・スミス(生きる化石のような
いけ好かない傲慢な貴族の大奥様がすごくぴったりだった)
マイケル・ガンボン、デレク・ジャコビ、
クリスティン・スコット・トーマス(スノッブな貴族の奥様がはまり役でした!)などなど、
豪華な出演者はアルトマン作品ならでしょうか・・・

アガサ・クリスティーへのオマージュ的雰囲気もたたえながら、
イギリス階級社会をちくりと皮肉り、アメリカン人には自虐的なまなざしを・・・
かわらずのアルトマン節を堪能しました。
・・・・が、寝不足のときとか疲れているときにはおすすめしません。
登場人物を覚えるだけで、寝ちゃうかもしれませんからね。


ささきみえこHP http://homepage3.nifty.com/sasakimieko/

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